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「水」のイメージが強い恒星「シリウス」と時計が12時までの理由

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「水」のイメージが強い恒星「シリウス」と時計が12時までの理由

 

古代エジプトでは、ナイル川の氾濫時期を知るために恒星「シリウス」の観測を行っていました。

「シリウス」が日の出直前に昇るのを観測することで、氾濫時期を察知していたそうです。

 

天体が日の出の直前に、東の空に昇ることを「ヒライアカル・ライジング(heliacal rising)」という。

 

このシリウスのヒライアカル・ライジングのときは、占星術的観点からは「ライオンズゲート」と呼ばれているようです。

 

ナイル川の氾濫とシリウス

アスワンハイダムの建設により、現在では氾濫することがなくなったナイル川。

昔は、ナイル川の氾濫により肥沃な泥などが運ばれることで、農作物が育つ豊かな土地となっていました。

まさに、「エジプトはナイルの賜物」だったわけです。

 

ナイル川の氾濫が起こるのは、シリウスが日の出直前に東の空に昇るとき(ヒライアカル・ライジング)。

この時のシリウスのは、乾季の終わりを告げてナイル川が増水し始める時季であることを告げ、新しいサイクルの始まりとされます。

 

アスワンハイダム

エジプトの南端にあるアスワン地区のナイル川に建設されたダム。

 

青ナイルと白ナイル

ナイル川の上流部であるスーダンのハルツームという都市近郊で、ナイル川は東西に分岐します。

東側はエチオピアのタナ湖を源流とする「青ナイル」、西側はヴィクトリア湖より流れる「白ナイル」と呼ばれています。

「青ナイル」の源流であるタナ湖は、エチオピア高原が雨季を迎えると一気に水かさを増すため、その水が濁流となって「青ナイル」で運ばれてナイル川に運ばれて水位が上がります。

これが、ナイル川の氾濫を引き起こしていた原因です。

つまり、エジプトで観測される「シリウス」のヒライアカル・ライジングは、エチオピア高原の雨季の時季を予測していたということにもなります。

 

時計が12時までなのは「シリウス」が理由

エジプト人は、ナイル川の氾濫時期を知るための天体観測に36個の基準の星を決めることで、夜空は360日で一周するというのを発見します。

ナイル川が氾濫するのは、「シリウス」が日の出前に東の空に昇るとき。

これは、日没から数えて12番目にシリウスが見えるタイミングで夜明けを迎える時期であるということ。

この重要な時期の夜を基準の星に合わせて12分割したことが、時計が12時までの起源なんだそうです。

(夜が12時間なら昼も12時間=一日は24時間)

 

■参考記事

 

シリウスと水

シリウスに関してよく目や耳にするのは、

  • 叡智
  • イルカやクジラ
  • 瀬織津姫

どれも水を連想させるものばかり。

水は情報を記憶するともいうし、五行論で水は「知恵」を司るので、叡智からも水をイメージしてしまいます。

 

そして水といえば、「浄化」。

日本神話に登場する「瀬織津姫」も浄化の神様であり、神社の祓戸社によく祀られています。

 

ヒライアカル・ライジングの時期というのは、ナイル川岸の土地がリニューアルされるように、古い情報を洗い流して新しい知恵を取り入れる時期なのかもしれませんね。

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