緑豊かなオリンピック発祥の地―オリンピア遺跡

前日に、アテネよりデルフィ遺跡に立ち寄り、オリンピアへ。

山に囲まれた聖域、デルフィ遺跡

クレタ島よりアテネに戻った翌日は、デルフィ遺跡へ。 山間の太陽の光を遮るもののない場所にあるアポロン神殿。 標高が高いのでやや肌寒さがありますが、空気が澄んでいて気持ちの良い場所です。 まさに太陽神に ...

続きを見る

翌朝にホテルから歩いてオリンピア遺跡を散策です。

第一印象は、今まで訪れた遺跡と異なり、緑が多いということ。

地面には草が生え、ところどころでは野生のクロッカスが咲いていたり、オリーブや松の樹からの木漏れ日や鳥のさえずり、そして近くに川があるせいか潤いを感じる場所でした。

全知全能の神ゼウスの聖地として栄えたオリンピア。

ゼウス神殿は、基壇と倒れてばらばらになった柱のみ。

ゼウスの后であるヘラの神殿は、何本か柱が残っていました。

駐車場では、観光バスが次から次へと入ってきていて、海外からの観光客も割と見受けられたのですが、広いので混雑しているという感じはなかったです。

こちらは、競技の参加者の水飲み場の跡。

そして、競技場。

戦士たちは、カラダの保護のためにオイルを塗り、砂をまとわせて闘い、試合後は、オイルと土をこそいで落してから水で体を洗ったそうです。

（かなり激しい競技だったとか...）

斜めになってますが、これは競技場のスタートライン。

表面がスベスベした石でした。

ゼウスに捧げる大きな祭りとして始まった古代オリンピックの熱気が、緑によって鎮められているようなそんな場所でした。

遺跡を見学後は、オリンピア考古学博物館へ。

「プラクシテレスのヘルメス」像

赤ん坊のデュオニュソスを腕に乗せて世話をするヘルメスの像が印象的でした。

折れた腕には葡萄を持っていたそうです。


デュオニュソスの母はヘラのたくらみによって死んでしまったため、ゼウスが胎児であったデュオニュソスを太腿に入れて生みました。

その後、ヘルメスにデュオニュソスをかくまってニンフに育ててもらうように頼んだという神話のエピソードがあります。

「パイオニオスのニケ」像

翼は折れ、顔もなくなっていますが、

後ろの壁に、本来の姿の映像が映されていました。

勝利の女神ニケは、戦争から武芸や競技などの平和的競争にいたるまでの「勝利と栄光」を司る女神であり、ゼウスの側近でした。

ニケの父はティタン族であり、その天敵ともいえるゼウスの側近として仕えたのはなぜか？

それは、ゼウス率いるオリンポスの神々と、ゼウスの父率いるティタン族の衝突が避けられない状況になった時にゼウスが出した御触れによるものだったようです。↓

これを聞いたニケの母である女神ステュクスが、今後の流れを綿密に読み、機転を利かせて、ニケを含む子供４人とともに真っ先にゼウス側に加わったそうです。

そして、ゼウス側が勝利し、その褒章として、

・すべての神々は、ステュクスの聖なる水にかけて誓いを立てる。
・ニケと３人の兄弟たちはゼウスと共に生きる。

を与えられました。

そうして、ニケが勝利の女神としてゼウスの最側近として仕えることに。

ゼウスも懐深いところがあるんだなと...、思ってしまった次第です。笑

そして、今まで見たゼウスの絵の中で一番ステキだなと思ったのがこちら。↓

（オリンピアのゼウス像の絵）

このゼウス、とても思慮深く、紳士に見えてカッコいい。