二十四節気「大雪」から「冬至」へと向かう地球のゆらぎ

早いもので、ギリシャから帰国してから、もう一月が過ぎようとしています。

二十四節気「大雪」も末項に。そして、間もなく訪れる冬至（12/22）。

今年は特に、意識の変容を感じるタイミングとなりそうな気配です。

本格的な冬を迎える頃、大雪。

自然界は冬の装いとなり、春に向けての準備のために深く沈み始め、静けさが増していく頃。

この「大雪」の七十二候の次項は「熊蟄穴（くまあなにこもる）」、末項は「鱖魚群（さけのうおむらがる）」で、この時期は熊は冬眠へ、鮭が遡上する時期であったことが伺えます。

しかし、現在の大雪はその自然界の営みの物語がほどけていくようなゆらぎを見せています。

冬ごもりができないクマ

クマは本来、秋に豊富などんぐりや木の実を食べて脂肪を蓄え、穴にこもり冬眠します。

しかし近年、全国的に人の生活圏へのクマの出没が急増。

今年は特にニュースを騒がせている状況です。

この背景にはいくつもの環境変化が折り重なっています。

ドングリの実がなるミズナラなどの木々の減少、異常気象によって豊胸周期の波がなくなり凶作の状態が何年も続いていることがクマの食料難となっている。

山や森の木々が、自らの生命を支えるのに精いっぱいで、クマを支えるほどの実りを生み出せなくなっているという風にも見てとれます。

広葉樹の減少により森の豊かさが減少し、森に棲む動物たちだけではなく、川や海にまでその影響は広がっています。

また、里山の減少や管理不足による自然界と人間界の境界の消失（これはクマに限らず）や温暖化により冬眠開始が遅れるなどの要因もあります。

鮭の遡上時期のずれ

鮭の遡上シーズンといえば、今では秋。

しかし、大雪の七十二候の末項にもある通り、以前はサケの遡上は冬の風物詩であったことが伺えます。

鮭の遡上が秋になってしまったのは、ずいぶん前のことのように思われますが、「森が豊かでなければ、海も豊かにならない」ことから、もうずいぶん前から森の周期は乱れ、豊かさを生み出せない状態になっていたのではと思われます。

遡上する鮭がかなり減少していることからも自然環境の変化が伺えます。
鮭は産卵するのに低水温を好みますが、海水温の上昇や暖流の北上により、河口周辺の環境が悪化したことも生まれた川へ戻れなくなっている原因と考えられています。
また、海流の影響で鮭の回遊域のプランクトン量が減り、稚魚の成長や生存に影響しているとも言われています。

冬至へ向かう、ゆらぐ地球の声

クマの冬眠は、いわば“再生”の象徴。
沈黙と休息の中で、新しい春のためのエネルギーを整えます。

そのリズムが乱れているということは、現代社会の私たちが抱える、

・休むべき時に休めない
・情報過多で内側の声がかき消される
・自然界の季節のリズムを忘れる

という内側の乱れをまるで映し出しているかのようです。

そして、鮭が遡上できない状況は、「魂の帰還ルートの喪失」を表しているかのよう。

鮭は古来、

・祖先の記憶
・命の循環
・魂の帰還

の象徴でした。

鮭が生まれた場所（川）に帰れないという現象は、私たちの内側で「帰るべき場所」が曖昧になっているというメッセージと捉えることもできます。

さらに今、太陽活動は活発化し、Xクラスの太陽フレアが頻発するという状況。

冬至を前に、まるで太陽が再生前の大きな呼吸をしているかのようです。

再出発を象徴する天体配置の直前の冬至

冬至の太陽の生まれ変わりとともに、私たちの意識も生まれ変わり、旧暦の新年（2026年2月17日）に向けて、静かに肉体に染み込んでいきます。

そして、その4日後の2月21日に、土星と海王星が牡羊座の0度で重なる。

12サインのトップバッターである牡羊座の0度（春分点）で、偉大なる社会天体と時代天体が重なるということは、まさに新しい時代の到来を意味します。

この牡羊座0度での土星と海王星の重なりを迎える直前の冬至は、まさに強い変化の雰囲気を漂わせています。

地球や宇宙とともに、螺旋をひとつ上へ昇り始めるタイミングといえます。

冬至は、光の再誕の日。

大雪の静かな空気に耳を澄ませるほど、地球と私たちの内側のどちらにも流れている“再生の兆し”が静かに輪郭を帯びてきます。

大雪から冬至に向かう静寂と、宇宙の再構築の波の間に立つ今、私たちは小さくとも確かな新しい光からの呼びかけを感じることができるのではないでしょうか。