牡羊座満月―冥王星順行前の静かな胎動

昨夜、雲間から顔をのぞかせた満月は、明るく、まるで内側まで照らすような光を放っていました。

冥王星が順行に戻る前、静けさの中の“再生の予告”の牡羊座満月。

私にとっては、ネイタルチャートのIC付近で起こる満月。

そして、その傍にはキロンが静かに寄り添っています。

深部にまで届きそうな明るい牡羊座満月は、生まれてきた動機にスポットライトをあてて浮き上がらせるかのような光を放っていました。

この満月が照らすのは、外へと向かう意志ではなく、長く眠っていた内なる炎。

それは、勢いよく燃える炎ではなく、暗く深い森の奥でかすかに息づく小さな灯。

その灯の存在に、意識を向けることを促されるような満月でした。

10月14日には、逆行していた冥王星が順行に戻ります。

冥王星が動きを変える時、見えない世界の深層で、一つの構造が静かに崩れ、新しい生命の呼吸が始まります。

再生を始動させるために、宇宙が大きく息を吸う前の静寂のようなときに起こった牡羊座満月は、まさに再生を予告するかのようです。

まるで、何も起こらないように見える余白の中で、本当のはじまりが息づいているとを感じさせてくれます。

満月は、闇と共にあることで、その円を完成させます。

満ちては欠けるということが繰り返される、その呼吸のなかで、私たちは幾度も生まれ変わっていきます。

雲がかかるのをものともせず、ひと際明るく感じられる月の光に静かな力強さを感じた牡羊座満月の夜でした。