母の他界とグレーの羽

５月３０日の夜、母が他界しました。

その翌朝、庭に出るとグレーの羽（おそらく鳩の羽）が落ちており、写真を撮ろうと後で見に行った時には既になくなっていたので、ちょっとメッセージ性を感じた次第です。

グレーの羽は、バランスや調和を象徴。

白でも黒でもない中間色のグレーの羽は中立的な意味合いを持つようです。

また、正しい方向に進んでおり、過去から解放されて新しいスタートを切る準備ができている、自分自身のバランスをとることが大切、知識と知恵のバランスといった意味もあるようです。


「知識と知恵」といえば...オオカミのスピリットを思い出します。

４月の初めに末期のガンが発覚してからの約２か月、急速に学びを促されるかのような展開でした。

母は抗がん剤治療を拒否し、自身のQOLを優先させたのですが、ゴールデンウィークに入る直前にひどい眩暈と水を飲んでも吐いてしまう状態となり、緊急入院。

入院中は絶食で点滴のみで過ごしていました。

私は、同居家族だけが許可された10分の面会時間に毎日病院に通いながら、できるだけ早く退院させて在宅医療に切り替えるべく、介護保険申請やらケアマネさんの依頼、在宅医療が可能な状態になるように環境を整えました。

ゴールデンウィークということもあり、なかなかスムーズに手続きが進まない状況でしたが、入院して2週間後の5月10日に何とか退院にこぎつけました。

そこから母が亡くなるまでの3週間の間、良いケアマネさんやヘルパーさんたちにサポートしていただきながら、多大な知識を与えてくれた薬剤師の先生との出会いもあり、まさに知識を知恵に変える実践の期間を過ごせたと感じています。

毎日、母の身体の状態を観察しながら（時には意識を読むことも試みながら）、在宅でできる限りのアプローチを行いました。

この間、母の生命力というか人間の生命力そのものを感じることとなったわけですが、母が亡くなってお悔やみに来てくださったケアマネさんやヘルパーさんにも「普通だったら、体温も低くなってバイタルはどんどん下がっていくのに、ずっと手足も温かくて、血圧もしっかりあって...不思議な体験をさせてもらいました。」と言っていただきました。

亡くなる直前までバイタルはしっかりしており、まるで何かを決意したかのように息を引き取った状態を看取ったのですが、とても表情も穏やかだったのが印象的でした。

母は生前に「希望すること」という手紙を残していたのですが、↓

1.延命措置は一切不要。
2.認知症になったら入院させてほしい。
3.葬儀は必要最低限で。

1番を叶えた次は3番です。

葬儀は必要最低限ということでしたが、母の親しかった友人数人にお知らせしただけででしたが、そこから広まり多くの友人や教え子（母は元高校の先生でした）の方々まで駆けつけてくださったり、たくさん供花していただいたりと準備していた椅子が足りなくなり急遽席を増やしすという事態に。

本人は必要最低限でということでしたが、ご友人や教え子の皆さんが盛り立ててくださった葬儀となりました。

葬儀の日は激しい雨が降ったものの、出棺の頃には小ぶりとなりその後晴れたのですが、仏教的には“龍が降らせる甘露の雨”で良い意味ですと住職は仰っておられました。

在宅療養では全身で生命力を表現してくれ、80代で亡くなったにもかかわらず多くの友人や教え子が駆けつけてくれた母の生き様は、私にとっても大きな学びとなりました。

まだ、突如と湧き上がってくる寂しさはありますが...。

多謝<m(__)m>