風邪などの部類として認識されている新型コロナウイルスですが、科学誌であるネイチャーの論文で「血管の病気」であると結論づけられたとのことです。
血管内皮の機能障害
内皮の機能障害にいたるメカニズム
まず、最初の「概要」から一部を抜粋します。
これが結論のようなものに該当すると思います。
論文「概要」より抜粋
SARS-CoV-2 感染は主に肺系に影響を与えるが、蓄積されたエビデンスは、直接、ウイルス感染を介して、または間接的に (サイトカインストームを介して) 肺外系の汎血管系にも影響を与え、内皮機能障害 (内皮炎、肺血管内皮炎、内皮機能障害)、および内皮症、多臓器損傷を引き起こすことを示唆している。
SARS-CoV-2 感染は、一酸化窒素(NO)バイオアベイラビリティ (※ 一酸化窒素の全身の循環)の低下、酸化ストレス、内皮損傷、グリコカリックス (※ 血管内皮を覆う薄い層)のバリア破壊、透過性亢進、炎症/白血球接着、内皮の老化、内皮への間葉転換 (※ 上皮細胞が周囲の細胞との細胞接着機能を失うこと)、凝固亢進、血栓症などを引き起こす。
したがって、COVID-19 は (微小) 血管および血管内皮疾患とみなされる。
内皮を保護するいくつかの候補薬は、COVID-19 患者の臨床症状を改善することが示されている。このレビューの目的は、COVID-19 における内皮細胞の活性化に関連するバイオマーカーの最新の概要を提供し、COVID-19 患者の大血管および微小血管系における内皮活性化/機能不全の分子基盤に関する機構的洞察を提供することだ。
難しい言葉もあるのですが、興味深いのは、
> 酸化ストレス、内皮損傷…
あたりから始まる一連の症状が、ワクチン後の有害事象とも一致しているということで、このような大きな血管から小さな血管まで「全身の血管の内皮が、炎症、損傷、機能障害を起こす」ことが、いわゆる「コロナの重症化」と言えるかと思います。
ただ、これらのことから思う懸念があるとすれば、
「流行波が繰り返されれば繰り返されるほど重症者が増えるかもしれない」
ということです。
その理由は、最初のほうにも書きましたけれど、たとえば高齢者や基礎疾患を持たれる方々の場合、もともと血管が老化したり損傷していたりしている場合も多いと思うのですが、流行が繰り返されると、「血管の内皮に損傷を受ける回数が増えていく」からです。
高齢者などの場合、血管組織の自然な回復力などは、どうしても若い人たちより鈍い面があるでしょうし、次第に「修復できないところまで損傷が進んでしまう」ということもあり得るのかもしれません。
これは若い人の場合でも、最初は健康な血管であるため、少なくとも無症候のコロナ感染など「以前はなんでもなかった」ものが、
「内皮の損傷が繰り返されることで、そうも言えなくなってくる (内皮の損傷が進んで回復が追いつかなくなってくる)」
ということもあるかもしれません。
特に、ワクチンを複数回接種した若い人の場合は、自然の流行波以外でスパイクタンパク質を血中に迎え入れているわけで、内皮損傷のリスクはさらに高くなるようにも思います。
今後の重症率は、もうコロナそのものの病原性とはあまり関係ないかもしれず、今後、仮にまた大規模なコロナ流行が起きた場合は、以前よりも重篤になる方々が増える「可能性」もあります。あくまで可能性です。
それで、論文のそれぞれのセクションですが、最初は、「内皮機能と機能不全」というもので、このセクションは、血管の内皮機能についての解説と、その機能不全の一般的な解説です。
その次は、「内皮機能障害と COVID-19 関連の多臓器損傷」というセクションで、過去の臨床論文からコロナウイルスの症状が全身に起きることを示しています。以下のような図がわかりやすいです。
まるでワクチン有害事象そのものの図を見ているようですが、これはあくまでもコロナの自然感染を示したものです。
結局、すべての症例が「血管内皮の機能障害が原因となっている」ことになります。
論文では、特に重症化を引き起こしやすい症例として、
・急性肺損傷
・心筋損傷
・心筋梗塞
・肝障害
・腎臓障害が挙げられています。
次のセクションは、「SARS-CoV-2 感染における内皮機能不全:エビデンス」というもので、それを理論的に長く説明していますが、難解すぎまして、ここを私が説明しても間違うと思いますので、詳細はともかく、その「証拠は、はっきりとしている」ことが書かれています。
次のセクションは、
「COVID-19 における内皮機能障害:メカニズム」
というもので、コロナ感染が、血管の内皮機能障害を起こすメカニズムについて述べられています。
このセクションも冒頭から難解で、
> COVID-19 は、重症患者のごく一部で炎症メディエーター (IL-1β、IL-6、IL-8、TNF-α、MCP-1、IP10、RANTES、G-CSF、および M-CSF) が過剰に産生されることを特徴としている。
と始まり、専門用語が飛び交いすぎて私には手に追えませんが、非常に長くメカニズムが説明されています。
あと、このこのセクションの中に、「ウイルスによる内皮細胞の老化」というサブセクションがあり、以下のようにあります。
> SARS-CoV-2 を含むさまざまな種類のウイルスによる感染は、内皮老化を引き起こす可能性がある。細胞老化は、ウイルス感染した内皮細胞における主要なストレス応答である。
コロナ感染は「血管の老化を引き起こす」可能性があるようです。先ほど書きましたように、高齢者などでは、個人差があるとはいえ、もともと血管がある程度は老化している場合もあるわけで、「そこにさらなる老化がくわわる」ということもあり得るのかもしれません。
今、「コロナ感染」と書きましたけれど、正確にいえば、先ほどの「内皮機能不全:エビデンス」のサブセクションである以下のタイトルが、よく示しているのではないでしょうか。
「SARS-CoV-2 のスパイク糖タンパク質が内皮細胞の活性化を引き起こす」
つまり、「コロナ感染」というのは曖昧な表現であり、
「スパイクタンパク質の感染が血管の内皮障害を引き起こす」
ということのようです。
何が書かれてあるのか全然わからないことを前置きして抜粋しますと、以下のように書かれています。
(「スパイクタンパク質の感染が血管の内皮障害を引き起こす」より)
> ヒト肺微小血管内皮細胞 (HLMVEC) は、S1 タンパク質または S1 感染ヒトマクロファージによる感染後に活性化され、凝固促進マーカーおよびサイトカイン/ケモカイン (ICAM-1、VCAM-1 および MCP1 ) の発現増加によって証明される。
>
> 同様の効果が、SARS-CoV-2 スパイク シュードビリオン (SCV-2-S) に感染した EC で観察された。
>
> さらに、SARS-CoV-2 スパイクタンパク質 (S1) の S1 サブユニットは、培養されたヒト肺微小血管 EC の内皮バリア機能を低下させた。
>
> 同様に、組換えSARS-COV-2 Sタンパク質で処理されたヒト大動脈EC(HAEC)では、炎症性分子の分泌の増加と血栓症のマーカー(IL-6、IL-18、MCP-1およびPAI-1)が観察された。
>
> さらに、マウス脳微小血管 EC におけるスパイクタンパク質 S1 受容体結合ドメイン (S1-RBD) の感染は、内皮接合タンパク質 (VE-カドヘリン、接合接着分子-A、コネキシン-43 および PECAM-1) の分解を誘発し、それによって内皮細胞を障害した。
まあ、わからないとはいえ、スパイクタンパク質は、以下のような影響を与えることが、過去の臨床や研究でわかっていると書かれてあるようです。
・血液凝固を促進させる
・内皮のバリア機能を低下させる
・血液の炎症を促進する
・血栓が作られやすくなる
・脳微小血管の何らかの分解を誘発する
このような働きで、スパイクタンパク質は、「血管内皮を破壊する」ということが、完全に証拠として示されているということになります。
くどいですが、ワクチンが作り出すは、このスパイクタンパク質です。
論文の最後は、このスパイクタンパク質による「内皮機能不全を標的とする治療薬」というセクションとなります。
これは、このような薬を使うといいということではなく、内皮機能不全に対する既存の薬剤の作用を述べているもので、こういうものから、新薬などの開発への助言としたいというもののようです。
薬に関しては、私はわからないですが、一覧の中には、副作用などで問題になったようなものもありますが、羅列しますと、以下のようなものが書かれていました。
・スタチン
・メトホルミン
・SGLT2阻害剤
・ヘパリン
・ACEI/ARB/ET-1 受容体遮断薬/ACE2 アゴニスト
・糖質コルチコイド
・トシリズマブ
・アナキンラ
・コルヒチン
・JAK阻害剤
・セノリティクス
・L -アルギニン
・フルボキサミン
とあり、その下に続いて、
・ビタミンC
・伝統的な中国医学 (TCM)
とあります。
この「伝統的な中国医学 (TCM)」に関しては、初期のパンデミックにおいて、中国で最も効果的だったのがこれでした。
感染した場合に引き起こされる症状が、なんだか生活習慣病が一気に加速して悪化した症状のようなイメージもボヤっと抱いていたので、何だか腑に落ちたような気がしています...。
加齢や生活習慣などにより発症しやすくなる症状である
・急性肺損傷
・心筋損傷
・心筋梗塞
・肝障害
・腎臓障害
が、血管内皮の機能障害によって引き起こされる。
そして、その要因はスパイクタンパクであると。
コロナ感染が拡大の当初から、基礎疾患のある人は重症化しやすいなどというのもよく聞いていましたが、スパイクタンパクによる血管内皮の機能障害によりもともと不具合出ていた臓器が悪化したというのもイメージしやすいです。
血管は全身に張り巡らされており、その血管をめぐる血液に乗ってスパイクタンパクが全身をめぐっているということは、弱っている臓器が標的になってしまうというわけです。
コロナの流行が繰り返されると、血管内皮がダメージを受ける回数も増えていくことになるとのことで、ダメージの修復ができるかぎり速やかに行われるような血管(および血液)にしておく必要がありそうです。
血管の老化が著しい現代人
一般に血管の老化は40歳前後から始まると言われていますが、個人差が激しく、血管年齢が実年齢よりも10~20歳以上という人も多いらしいです。
食生活と適度な運動という日常的なベースをまず改善していくことが重要です。
血液&血管に不具合を生じさせる要因
私たが生活している環境には血液や血管に不具合を生じさせる因子がたくさんあります。
- 食品添加物
- 農薬
- 環境汚染物質(化学物質)
- 遺伝子組み換え食品
- 電磁波
- 放射能
- 運動不足
- ストレス
など。
全てを避けれるわけではないですが、安全な食材を選んで食生活を見直したり、適度な運動やストレスケアなどを日常的に取り入れながら、出来るだけ毒を入れないのもそうですが、“解毒”するということを意識するのが大切です。
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