爽やかでありながら、ちょっとホッとするような暖かみがあってリラックスできる「ベルガモット」の香り。
柑橘系の香りのなかでは、私はかなり好きな香りです。
ベルガモット精油の基本データ
ベルガモット Bergamot
【学名】Citrus aurantium ssp. bergamia
【科名】ミカン科
【使用部位】果皮(緑の果皮)
【抽出法】圧搾法
【主な成分】酢酸リナリル、テルペン、リナロール、ベルガプテン、ベルガモッティン、ジヒドロクミンアルコール、ネロール、D-リモネン、ベルガプトル、リメッティン
【作用】抗菌作用、解熱作用、神経調整作用、消臭作用
最良品質の産地
イタリアのベルガモットが周りに生い茂る町「レッギオ・ディ・カラブリア」産のベルガモットが、最良品質といわれています。
南フランスや象牙海岸などでも栽培が試みられたもののうまくいかなかったようですが、特に豊かというわけではない土地でありながら「レッギオ・ディ・カラブリア」にはベルガモットが生い茂っており、ベルガモットの収穫時期である11月から2月には、木の下に小さな水仙が花を咲かせる光景が広がるそうです。
神経調整作用
まだ青くて苦い果実の状態の頃の果皮から精油が抽出されるベルガモット。
イメージ的には、リフレッシュや活気づけるような作用が強そうですが、リラックスさせるような作用も持ち合わせています。
また、ブレンドした精油に順応する、フレキシブルな精油でもあります。
ブレンドする精油による作用の違い
- ローズマリー、レモングラス、バーベナの場合:爽やか、明朗で活発
- イランイラン、ジャスミンの場合:身体的作用が強くなる
- 高山マツ、ジュニパーの場合:薬剤としての働きが増す
このように多様な作用をもつが、いずれの場合にも気分が良くなる。
疲労困ぱいした時や、身体と心の病気の後の回復期、また絶え間ない緊張によって疲れた際など、いきいきと前向きにさせる。
またストレス、一般的な神経症や神経性の不安症の場合には、症状を和らげる。
自意識と自信を取り戻させ、その<太陽のような明るさ>のおかげで元気づけ、精神を生き返らせてくれる。
優しい、花のような香りのノートは歓びと心の暖かさを刺激する。
消臭作用
ベルガモットは、ペットやタバコの臭いの消臭に使っても優秀です。
ベルガモットをギンバイカとレモン(あるいはレモングラス)と混ぜて使うと、タバコをもうもうと吸った後の部屋は綺麗になり、爽やかになる。
注意事項
ベルガモットには光毒性がるため、肌などに付けるオイルや化粧水などにブレンドして使用する場合は、
- 使用後は紫外線に当たらないようにする
- フロクマリンフリー(光毒性成分を抜いた)精油を用いる
など、注意が必要です。
光毒性
紫外線などの光を受けると生じる毒性で、物質が光化学反応などを起こして炎症を引き起こすことなどをいう。
■参考文献:「アロマテラピー 天の香り」スザンネ・フィッシャー・リチイ著 手塚千史 訳