花冷えも終わり、ようやく春本番。
庭の寒緋桜は散って葉桜となりつつありますが、淡いピンクのソメイヨシノは今まさに見頃を迎えております。
毎年恒例の桜の風景
こちらは近所の川沿いの桜。
満開を迎えております。
もう少しすると、花筏の光景が。
散歩がてら自転車で走ってきました。
川沿いに到着した瞬間、むせ返るような桜の香りが。
裏の神社の桜の樹の近くに行ったときも、ふわっと香りが漂ってきました。
目でみるだけでなく、鼻でもお花見を楽しんでおります。
神々と共に楽しむお花見
桜の花を愛でながら食事などを楽しむ「お花見」は、神々との共に楽しむ時間でもあったようです。
四月になると
日本には
「山遊び」
という、
農作業が忙しくなる前に
山へ御馳走を持って
遊びに行く風習がありました。この日は
働いてはいけない日。この風習は、
高い山に住む神様と共に食事を楽しみ、
その年の収穫を見守ってもらうための
大切な遊びです。遊びとは、
御神事。さ・くら
には
磐座(いわ・くら)と同様に
神様が下りてくる場が創られます。これが
現代のお花見や学校遠足の起源となっています。
お花見という神々と楽しむ「遊び」が御神事であるというのは素敵な風習だなと、桜を見ながらしみじみと。
桜には神様が降りてくる場が作られるとこのことで、満開の桜や風に舞う花びらを見るとついつい見入ってしまうのは、そういうエネルギーを感じているからなのかもしれません。
先日読んだ「花を飾ると、神舞い降りる」の本にも書かれていたように、見えない世界とつないでくれる存在なんでしょうね。
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春分の日に買った花と読んだ本「花を飾ると、神舞い降りる」
今年は、雨が多く肌寒い日が多い春分の頃ですが、春分当日は春らしい陽光が降りそそぐ日でした。 このところ、寝室の花瓶に活けていたのは庭の寒緋桜の枝だけだったのですが、春分の日 ...
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桜の代名詞である「ソメイヨシノ」が後継品種にバトンタッチ
エドヒガンとオオシマザクラを交配させて作られた「ソメイヨシノ」は、日本全国に分布し、桜の代名詞のような存在で、桜前線の対象にもなっています。
江戸末期に誕生し、日本全国に接ぎ木で植えられた「ソメイヨシノ」は、近年の遺伝子分析の結果、クローン個体であることが判明しています。
遺伝的多様性のない単一の遺伝子であり、人の手による接ぎ木でしか繁殖できず、病気(てんぐ巣病)にも弱いという品種でもあるため、違う品種の植え替えが少しずつ進んでいるようです。
後継の品種
寿命を迎えているソメイヨシノの後継の品種は、「コマツオトメ」と「ジンダイアケボノ」だそうで、ややピンク色が濃く元気な感じがします。
桜並木を歩いていると、たまに違う種類かな?と思う桜の樹がありますが、徐々にその割合が多くなっていくのでしょうか。
しかし、ソメイヨシノの独特の儚げな印象は、クローン個体であるが故の脆弱性からも醸し出されていたのかもしれませんね~。