やっとわかった！「かぐや姫の罪」

古事記の解説動画を上げておられる小梅小町さんが、先日、竹取物語の解説動画を上げておられました。↓

古事記を解説していく上での伏線として解説されたこちらの動画で、ジブリ映画の「かぐや姫の物語」を見たときには“姫の犯した罪と罰”が今一つピンとこずだったのが、スッキリ解消されました！

かぐや姫の罪は、過去に心を通わせた相手に“不死”を渡せなかったことであり、古事記に登場する不死の女神 磐長姫命（イワナガヒメノミコト）につながる?!

かぐや姫の５つの難題の真意

かぐや姫にこぞって求婚する位の高い男性陣の登場により、竹取の翁もかぐや姫に結婚をすすめます。

（竹というのは“自立”を意味し、竹取というのは「自立を阻む」という意味があるようです。）

どうしても結婚したくないかぐや姫は、求婚してくる５人の男性に難題を出すのですが、その難題の本当の意味に誰一人として気づくことなく、命を落とす人もいたわけです。

５つの難題の真意は難しく、よほど誠実で真心を持つ人にしか解けないものであったということですね...。

一つ目の難題は女性トラブルの絶えなかった石作の皇子に、二つ目は理想ばかりを追求し家族をないがしろにしていた庫持の皇子に、三つ目は妻が亡くなって７日でかぐや姫に告白していた阿部の右大臣に、四つ目は人に価値をつけて見下したりしている大伴の大納言、五つ目は出産間近の妻を差し置いてかぐや姫に求婚していた石上の中納言に出されました。

皆、難題に苦労したでしょうが、誰一人としてかぐや姫が求める“心（誠意）”を持ってくることはできなかったということです。

不死の薬

５人の貴族の求婚騒動の後、今度は帝がかぐや姫に求婚します。

誰にも姿を見せなかったかぐや姫ですが、帝は翁と作戦をたてて強引にかぐや姫に会おうとします。

そして、たった一度だけ姿を見たかぐや姫に心を奪われてしまい、長い間、文のやり取りをするのですが、ついにかぐや姫と心を通わせることになります。

かぐや姫に、ついに不死の力を心を通わせた相手に渡す時が来ました。

しかし、それは月に帰ることも意味します。

不死の薬を帝に渡し、天の羽衣を着て地上での記憶を消してかぐや姫が月に帰っていった後、帝は天でかぐや姫と再会することが思い浮かぶのに不死の薬は役に立たないと、月の都と天に最も近い場所とされる富士山に薬を返却に行きます。

心を通わせた相手に不死の薬を渡したかぐや姫は、古事記に登場する磐長姫命（イワナガヒメノミコト）ともつながると動画では解説されています。

天照大神の孫である瓊瓊杵尊（ニニギノミコト）が、国津神である大山津見命（オオヤマヅミノミコト）の娘である木花開耶姫（コノハサクヤヒメ）とだけ結婚し、醜かったとされる姉である磐長姫命は送り返したので永遠の命は得られなかったという話があります。

これは、天津神である瓊瓊杵尊が心ある神なのかどうかがわからなかったため、磐長姫命は不死の力を与えなかったという意味のようです。

木花開耶姫により、繁栄は約束されたわけですが、磐長姫命から永遠の命は与えてもらえなかった。

民に寄り添うの役割をもつ国津神にとっては、心無い独裁者によってこの世のバランスを崩すことができなかったわけですが、天津神からすると、磐長姫命のせいで不死の力を得られなかったとして罪を着せられて追われる身となってしまいます。

かぐや姫の罪についてクリアになり、非常にスッキリとしたわけですが、古事記やこういった古い書物（聖書もしかり）のメタファー要素ってホントすごいですね～。