厄除け・子孫繁栄・長寿・健やかな成長の願いが込められた「菱餅」

2023年も瞬くまに3月に突入です。

そして明日は、五節句の2番目である「上巳の節句（桃の節句）」。

水を司る女神「瀬織津姫」とも関連がある節句で、心機一転で新たなスタートとなる春分前の大浄化の意味合いも深いです。

厄を身代わりで引き受けてくれる雛人形や邪気払いの桃の花、そして厄除けや長寿、子孫繁栄などの願いが込められた菱餅が飾られます。

その形は心臓を表しているとも言われており、心優しく健やかに育つようにという思いも込められている菱餅。

昨年のこの時期は、桃の花茶に乾燥させたサンザシや金柑を入れて楽しんでました～。

菱餅の色

三色の菱餅には、それぞれ薬草が用いられています。

共通して、血流をよくする作用があります。

クチナシやヨモギは解毒作用があり、邪気払いの意味もあり、ヒシは近年の研究で白血球を活発化させる作用があることが分かっています。

ただ、江戸時代までは白と緑の二色だったそうで、ピンクが加わったのは明治以降といわれており、昔は緑もヨモギではなく母子草が用いられていたそうです。（因みに、母子草というのは春の七草の一つであるゴギョウのことです。）

春の風景

菱餅の3色は春の風景もあらわしていると言われています。

雪の中（白）から顔を出す新芽やこれから生い茂る草木（緑）、そして桃の花（ピンク）。

春の息吹が強まっていくのを感じる時季の風景です。

2023年の旧暦の桃の節句

今年の春は長い（閏如月がある）ので、旧暦での桃の節句はゴールデンウィーク前の4月22日となります。

通常のカレンダーの3月3日よりも50日も遅くなるんですね～。

ちょうど、北海道や東北で春らしい気候となってくる頃でしょうか。

ということは、この後に控えている端午の節句や七夕、重陽の節句ももかなりずれることになります。

• 端午の節句：6月22日（旧暦5月5日）
• 七夕：8月22日（旧暦7月7日）
• 重陽の節句：10月23日（旧暦9月9日）

ひとまず、今年は春が長いということで、皆さまも良き春をお過ごしください～。