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「植物発電」電気というエネルギーも提供してくれる植物たち

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「植物発電」電気というエネルギーも提供してくれる植物たち

 

常日頃から、野菜や果実、穀類などの食料としてや精油や薬草・ハーブなどとしてお世話になっている植物ですが、電気というエネルギーまで供給してくれるとは...。

やっぱり植物って偉大。

 

植物は、光合成により生成した栄養の7割を微生物に与えており、この栄養素を微生物が分解する際に放出される電子が電気を生み出す!

 

植物によるスマホ充電

意外なものからスマートフォンを充電します。  植物を使ったヘアケア商品を開発する「BOTANIST」などは植物と土を使った発電でスマホの充電を体験できるスポットをオープンしました。  植物の光合成で作られた糖分を土の中の微生物が分解する際に発生する電気を利用します。  植物が元気に保たれている間は安定して発電でき、1時間でスマホの電池容量の20%ほどを充電できるということです。

[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

 

東京の渋谷に、植物によるスマホ充電スポットがオープンしていたようです。

 

植物によって、スマホは充電され、人間は電磁波デトックスできるので(植物に触れると)、一石二鳥のスポットだなと思ってしまいました。

 

植物と微生物の共同作業による発電

もう 7年前になるのですが、以下の記事で、オランダの企業が、

「植物を使って発電する」

ことについて、外灯などへの使用を含めて実用化したことを取り上げたことがあります。私自身、大変に感動した内容でした。

 

[記事] オランダの女性たちが発見した奇跡のエネルギー生成 : 生きた植物と生きた微生物と水のコラボレーションが生み出した驚異の発電法 - Plant-MFC
In Deep 2015年07月04日

 

「植物で発電する」という響きからですと、何だかこう、植物そのものを材料にしてエネルギーにするような響きを感じられる場合もあるかと思いますが、そうではないのです。

植物の「生きるための働きを借りる」もので、「光合成のメカニズム」に着目したものです。

光合成によって生成される有機物には、植物の成長を促す成分が含まれていて、植物はそれにより成長します。

つまり、植物は水と光で育つのですけれど、この オランダのプラント-e社という企業の CEO は、植物の光合成の研究の中で、「ものすごい特性を見つけた」のです。

どんなことかといいますと、何となく植物は完全なメスニズムで栄養を水と光から取り入れているようなイメージがありますが、

「植物の光合成は 70%が無駄になっている」

ことが見出されたのです。

植物は、自ら光合成で作った成長エネルギーの約 70%を「外部に捨てて」いることがわかったのです。

 

その 70%のエネルギーはどこに行くか。

それは、

「植物の根の周囲に集まる《微生物たちのエネルギー源》となっている」

ことがわかったのでした。

つまり、植物という存在は「自分が作り出したエネルギーの 3割しか自分では使わず、あとの 7割を他者に与えている」ことになります。

植物はかなりの部分で「他者のために水と光でエネルギーを作り出している」のでした。

そして、微生物が有機物を消費する際には「電子が放出されている」そうなのですが、それを発電に利用したのです。

先ほどのブログ記事でご紹介しました海外の経済記事では、以下のように書かれています。

 

(2015年の海外の経済記事より)

> 植物が光合成を行うと根から様々な有機化合物を生産するが、その有機化合物が、 微生物により無機物に分解される。そのときに発生する余剰電子により発電が行われることを応用したものだ。

> プラント- e 社は、植物が光合成をする際に、その 70パーセントが使われていないことを発見した。

> 根を通って排出されるその廃棄物は C6H12O6 (グルコース)の化学構造を持っており、それが微生物によって分解され、二酸化炭素(CO 2)、プロトン(H+)と電子(e - )になる。

> この自然のプロセスを利用して、プラント- e 社はこれを電気エネルギーに変換できることを見出した。この電力は実際の電子機器に使うことができる。

 

概念図としては以下のようなものです。

植物の光合成と微生物による発電のメカニズムのイメージ

Plant-e

この図を見ておわかりの通り、「植物を栽培しながら発電できる」のです。

というか、

「植物が生きていてこそ発電できる」

のです。

発電量の目安としては、当時のプラント-e 社の説明には以下のようにありました。

 

(ブラント-e 社による2015年の発電量に関しての説明)

> 現在、この Plant-MFC では、1平方メートル 0.4ワットの電気を発電させることができる。この発電量は、同じサイズのバイオガス発酵プロセスから発生した電気を超えている。

> 今後、本プロダクトは、1平方メートルあたり 3.2ワットの電気を作ることができるようになる。ノートパソコンを駆動させるには、わずか 15平方メートルの植物の栽培面積があればいいということになる。

> 100平方メートルの土地の面積を持っている場合なら、発電量は年間 2,800キロワットに達する。この量は、オランダの家庭や他のヨーロッパ諸国の基本的な電力需要を満たすことができる量だ。 (Plant-e)

 

9畳くらいの部屋の広さの水田があれば、ノートパソコンの駆動が可能で、100平米の広さの水田なら「家庭用の通常の電力がまかなえる」のです。

小さな LED ライトを点灯させるだけなら、「いくつかの観葉植物」だけでなし得る可能性があります。以下は、2012年の Plant-e社の社内の写真です。これは写真ですけれど、この電動の地球儀は観葉植物が作る電力で回転しています。


wur.nl

この写真の女性は、当時のプラント-e 社の CEO マージョレイン・ヘルダーさんという方です。

In deep

 

植物は光合成によって作りだした栄養の3割を自らの成長に使い、7割を根から土壌を豊かにしてくれる微生物たちに与えていた。

そして、微生物たちが栄養素を分解するときに発生される電子により、電気を生みだすという仕組みです。

 

オランダの女性たちが発見した光合成のしくみを活用した「植物発電」、私もSNSでこの発見の内容を見ましたが、もう7年も前なんですね~。

世界の仕組み的に、ここからどう発展するのか?しないのか?みたいなことを、その時に思いましたが、その後の進展は難しかったようです...。

 

しかし、この技術が瞬く間に広がり、世界中で採用されたとしたら、食糧難とエネルギー問題が浮上してきている世界の状況を一変させることは可能なのでは?と思ってしまいますよね。

 

日本にも「植物発電」に取り組んでいる会社が!

 

植物と微生物により放出された電子より生み出されるエネルギーをコントロールする基盤を開発しているこちらの会社では、植物発電キットも既に販売されているようで、TVで紹介されてからすごい反響のようです。

 

 

マイナス:マグネシウム

プラス:炭

の電極を植物の育つ土壌にさし込んで使用するようです。

 

電極のマグネシウムは、溶けてしまうという問題があったのですが、溶けないようにする特許も取得し、現時点では電極の交換の必要もないそうです。

 

ビオトープでも使用可能

土壌だけでなく、ビオトープのメダカがいる水中でも発電が可能。

メダカの糞を微生物が分解するときに発生する電子がエネルギーに。

なので、キレイな水よりも汚れている水(微生物が分解するものが多い水)の方が発電するとのことでした。

 

水も空気などの環境がクリーンになる発電システム。

科学技術の発展により生まれた歪みを、最終的に解消してくれるのは、やっぱり植物や自然の力なのかもしれません。

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