レイチェル・カーソン「センス・オブ・ワンダー」

先日の新月前あたりから、レイチェル・カーソンがやたらと頭に浮かんでくるこの頃。

なので、「センス・オブ・ワンダー」を読み返してみることに。

「センス・オブ・ワンダー」は、レイチェル・カーソンの最後の作品。

映画にもなってます。↓

海洋生物学者であり作家でもあるレイチェル・カーソンを知ったのは高校生の頃。

「われらをめぐる海」と「沈黙の春」を読んだのがきっかけです。

大学時代に環境生態学研究室を選んだのも、影響受けてたのかなと、今になってみて改めて思います...。

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「沈黙の春」とは、鳥のさえずりも聞こえず、生き物たちの音が聞こえない静けさに満ちた春。

残留性の高い有機合成殺虫剤である「DDT（ジクロロジフェニルトリクロロエタン）」が自然環境に与える危険性を記した「沈黙の春」は、ケネディ大統領をも動かし、環境保護の法案が設立され、その後“環境保護”という意識が世界に広がります。

（日本でも第一種特定化学物質に指定され、輸入・製造が禁止されています。）

レイチェルは、執筆中にガンに侵されながらも「沈黙の春」を書きあげ、その後、自分が長くないことを感じる中で最後の著書となった「センス・オブ・ワンダー」を執筆します。

幼い甥っ子ロジャーとともに海や森へ出かけて共に感性を磨いた日々がつづられた本。

この本を読んでいると、何種類もの鳥たちの声を聴きわけながらもオーケストラの演奏のにそのさえずりに聞き入り、また、虫の音にも美しさ見出していた彼女には騒音には聞こえなかったようです。（日本語やポリネシア語の言語を使っていたわけではないのに。）

彼女のように自然界に心を開く感性を持っていれば、虫の音が騒音に聞こえることはないのかもしれないですね～。

今回、「センス・オブ・ワンダー」を読んでいて心にとどまった個所は以下です。

　　人間を超えた存在を認識し、おそれ、驚嘆する感性をはぐくみ強めていくことには、どのような意義があるのでしょうか。自然界を探検することは、貴重な子ども時代をすごす愉快で楽しい方法の一つにすぎないのでしょうか。それとも、もっと深い何かがあるのでしょうか。

　わたしはそのなかに、永続的で意義深いなにかがあると信じています。地球の美しさと神秘を感じとれる人は、科学者であろうとなかろうと、人生に飽きて疲れたり、孤独にさいなまれることはけっしてないでしょう。たとえ生活のなかで苦しみや心配ごとにであったとしても、かならずや、内面的な満足感と、生きていることへの新たなよろこびへ通ずる小道を見つけだすことができると信じます。

　地球の美しさについて深く思いをめぐらせる人は、生命の終わりの瞬間まで、生き生きとした精神力をたもちつづけることができるでしょう。

　鳥の渡り、潮の満ち干、春を待つ硬い蕾のなかには、それ自体の美しさと同時に、象徴的な美と神秘がかくされています。自然がくりかえすリフレイン ー 夜の次に朝がきて、冬が去れば春になるという確かさ ― のなかには、かぎりなくわたしたちをいやしてくれるなにかがあるのです。

「センス・オブ・ワンダー」より

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今、この時代を生き抜く人間にとって、レイチェルのいう感性はとても重要であり、彼女のように死ぬ直前まで好奇心を忘れなければ、死の先へも好奇心を向けることができ、穏やかな死を迎えることができるのかもしれません。

（掲載されていた「大西洋の夜明け」の写真↑）